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大阪物語のpapandaのレビュー・感想・評価

大阪物語(1957年製作の映画)
3.8
はじめは家族のため、人のためと始めたことが、次第にその行為自体が目標となり、本末転倒していく話。お金に限らず、そういうことって身近にあるなぁ。どケチが行きすぎて醜悪さ、無惨さ、滑稽さ、大阪弁のせいか妙にリアルな感じがする。役者さん達も人間味丸出しのぬめっとした感じが見事。中村鴈治郎さんと三益愛子さんのやり取りが面白い。着物の着こなし方や家具調度品なんかも生活感がある。朝ドラのモデルの浪速千栄子さんの姿が見られたのも良かった。そして伊福部先生の音楽が、いつもの重厚さではなく、大阪の色町の華やかさや登場人物のいろんな人間味を引き立てていて良かった。
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