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ドライヴの8bitのレビュー・感想・評価

ドライヴ(2011年製作の映画)
5.0
洗練された隠れんぼのようなオープニングの逃走劇から圧倒されました。

余計な台詞や説明的な描写の一切を削ぎ落とし、
登場人物の仕草や目線、画面の構図や陰影といった「映像」だけで全てを解らせる演出は寡黙かつソリッド。
ストーリーの新味の無さに賛否が分かれるようですが、
シンプルなストーリーだからこそ、研ぎ澄まされた演出や俳優たちの見事な演技が
ノイズなく、ダイレクトに伝わってきます。
例のエレベーターでのキスに代表されるインパクトの強いシーンだけでなく
全てのシーンが鮮明に脳裏に焼きついてしまって離れないのが何よりの証拠。

凝った脚本と構成の個性的作品やハリウッドのド派手なビッグバジェット大作もいいけど、
演出・音楽、そして俳優が独特のケミストリーを生み出している本作のような不思議な作品が自分は大好きです。

ちなみに映画を観たその夜。
映画の余韻が忘れられず、独りで夜のドライヴに繰り出してしまいました。
気分はライアン・ゴズリングで笑。
見慣れた街の風景もいつもと違って見えたりしてなかなか乙なもんです。
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