映画見るようになってから3つ大きなポイントとなる作品が自分のなかにあったのだけど、「ドライヴ」はその3つ目。
原作ありだが、それを見事に自分のカラーに染めて作り上げたレフン監督すばらしい。
昼スタントマン、夜逃し屋のドライバーがある女性に好意をもったことから犯罪に巻き込まれてゆくってありがちといえばありがちな話。
だけどライアン・ゴズリング演じるドライバーは話す時は話す必要があるときだけという寡黙キャラ、必然的に台詞少ないがそれをたたずまいと表情で見事に補い伝えきってる。
悪役キャラも意外でアルバート・ブルックスがあんな目の座った極悪キャラをやるとは思わなかった。
カーチェイスシーンもただスピード出してスピンして飛ばすようなものじゃなく、ゆっくり走る、停止するを織り混ぜて追っ手をかわす、さすがの逃し屋と説得力ある流れ。
独特の映像美とサウンドもいうまでもなく最高だし、間の取り方、ここぞと言うときの凄惨描写、それにラスト付近のライアン・ゴズリングの表情がたまらないよね。こんなはずじゃなかったのに…感が。それを一人で抱え込む後半泣ける。
暗闇でも涙を堪えているのがわかるショットもとても良い。
なん十回も見てるけど全く飽きない。
これまでの他作品のライアン・ゴズリングとは少しイメージが違うが、この繊細で内に秘めた演技は相変わらず絶品だった。
ドライバーの過去は描かれていないが、あの演技と描写でドライバーの過去まで十分想像できる(原作にはドライバーの過去が描かれていた)
カンヌ監督賞よかったが、主演男優賞も取らせてあげたかった。
この作品でレフン監督を知り、過去作全部見てみたらすべてツボだったので、今や大ファン、一番好きな監督になったよ。
オールタイムベストにずっと居続ける作品。