たむランボー怒りの脱出

ポパイのたむランボー怒りの脱出のレビュー・感想・評価

ポパイ(1980年製作の映画)
4.0
シェリー・デュヴァルの歌唱シーンが素晴らしい。ミュージカル映画にあるまじき下手さなのだが、それゆえにグッとくる。この映画の作り手たちは下手であることをネタにしたりせず、「ただの歌声」として、どのような歌唱でさえも同等に存在させている。それにシェリー・デュヴァルが元気いっぱいに歌唱しているというだけで良い。これが『シャイニング』と同年公開とは思えない振り幅。

先日のカラックスのDOMMUNEで諏訪敦彦が、生歌で撮影したミュージカルとしてコレを挙げていた。ロビン・ウィリアムズの声は吹替に思えるのだが、だとしたら歌唱をシンクロで撮って科白をアフレコで撮ったミュージカルという倒錯的な感じになる。

ラストの強引な大団円の楽観性が凄まじい……何だこのテンションは。