PhilMarks

灰とダイヤモンドのPhilMarksのネタバレレビュー・内容・結末

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

ワルシャワ蜂起については知っていたが、作品の舞台はその後だし、当時のポーランドの情勢については無知だったため、構図を理解するのに時間がかかった。宴のシーンは楽しげだしクリスティーナとの恋のシーンは微笑ましいが、どこか緊張感を感じさせるのは勿論マーチェクの立場にもよるだろうが、当時は若者に死が近かった時代だったからなのだろうと思った。何かにつけてワルシャワ蜂起が話に上るし、その時に身近な人が死んだことが話されるような時代。大義と、人並みで幸福な人生との板挟みになることなど今のこの国では考えられない。クリスティーナと一緒になれず、ゴミ捨て場で一人死んだマーチェクを見ていると「灰とダイヤモンド」の詩を思い出した。大義に疑問を抱きながらもシチューカを暗殺し、恋人との人生を手に入れられなかったマーチェクにもあの詩は当てはまるのだろうか。
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