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灰とダイヤモンドのdoremifaのレビュー・感想・評価

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)
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アンジェイ・ワイダの抵抗三部作の三作目。第二次世界大戦が終わりを告げた当日を舞台に反共の青年が大義、友人、恋の狭間で揺れる。ポーランド独立にかけて各々の思惑が絡まる群像劇でもある。サングラスをかけた主役のズビグニェフ・ツィブルスキの魅力が凄まじい。三部作の中で一番キマッテる感じがするし、一番好き。

上司でありながら親友のアンジェイとの誰もいないバーのシーンでやられる。度数の濃い酒に火を灯しながら今は亡き親友の名を読む。戦時下での中での青春。クライマックスの15分ほどが格好良い。階段下のライティングの効いたショット。打ち上がる花火と水たまりの前に置かれる死体。白シーツに浮かび上がる血痕。全てを悟ったかのように小窓からの朝日を受け逆光でシルエットが浮かび上がるバーの女。ゴミ山のラスト。笑う者、泣く者、去る者が入り混じるシークエンス。

コメディパートの秘書の酔い方が友達の山ちゃんみたいで好き。
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