いとJ

灰とダイヤモンドのいとJのレビュー・感想・評価

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)
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ポーランド映画祭にて。全く古びれることのない映像美。主人公マチェクが暗殺の対象を外へ追いかけていく直前に階段下で待機するシーンの、階段の模様が強い白黒のコントラストで浮かび上がるのがとても印象的。印象的なシーンしかない。構図が全て格好良い。鏡や水たまりに人物を映す演出が多いがきっと何か意味があるのかもしれない。

マチェクがバーの女性をナンパするときのやりとりが面白い。
「君は恋愛しないの?」
「あなたと?」
「いや、誰とでもだ」
「恋は面倒よ」
「人生は面倒なものさ」
「ならどうして新しい面倒を始めるの!」
マチェク、しばし苦笑して沈黙した後にスミレの花の匂いを嗅ぎながら、
「……スミレの花がさらに芳しくなってきた」

いい会話です。
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