パトラ

黒い家のパトラのレビュー・感想・評価

黒い家(1999年製作の映画)
3.7
『この人間には、心がない』という表現がドンピシャ。

なんといっても、観た人誰もが口を揃える、大竹しのぶ演じる女の怖さ。
ありゃ怖いですよ。
『生身の人間』というジャンルでくくったら、世界でも最上位に来るレベルだと思った。

話が通じない、
常識が通じない、
心が通じない…
あのちょっと潤んだ瞳と、表情の怖さと、会話の通じなさそうな話し方は、ホラー界でもなかなかお目にかかれないレベルの怖さのキャラクターだった。
とても忘れられない人物ですね。

現実的に考えてしまえば、ただの細身の成人女性なのだから、大の男が襲いかかれば制圧できるはずなのだけど、
劇中では、全然そう感じさせない圧倒的な存在感。『人間の形をした別のなにか』としか思えない恐ろしさ。
まさに怪演だと思う。

主人公の絶妙に頼りなさそう感じが、恐怖描写に説得力を持たせていましたね。
家にいったとき手に持ってたライトは、さすがに震えすぎやろって思った笑

映画全体としては、どうにも間延びした印象。あのイカれた夫婦の描写をしっかり表現するのは良かったのだけど、どうにもシーン1つ1つが、長く感じたかな。なんだろう?会話のキャッチボールがちょっと多いのかな?
自分がこれを観たのが令和6年だから、時代の違いがあるとは思うのだけど。
もうちょいスッキリさせて、100分くらいに収まっていたら、もっと好きになれたと思う。
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