ヤングノルン

エクソシスト2のヤングノルンのネタバレレビュー・内容・結末

エクソシスト2(1977年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

そもそも映像作品全体としてテーマに重きを置くべきであると個人的には思います。そのうえで感想を語りますので、本映画を見て仮に面白かったと思った方はスルーでお願いします。

最近の映画でもよくある万人が好むような提供しやすい感動というのは、商業映画的には大事だと思います。立ちふさがった難題や超えられそうにない困難を乗り越えること自体はいい肥しにはなると思います。
ですが、観客に魅せたいという芸術映画に関しては、売れたから続編をつくる、という商業的にシフトする傲慢な発想は十中八九失敗するのが落ち度。それは当然、元々芸術映画のコンセプトを捻じ曲げるから。あくまで私の価値観なので、正論かどうかなどは別として語りますが、元祖エクソシストのラストに残された、脅威を退けられたが抜本的解決にならない言い表せない不安をラストシーンの階段で表現できたのに、続編で完全に破壊してしまった。怒りより先に言い表せない哀しさと悔しさが鑑賞後に襲ってしまった。
とはいえ、美術はシンプルに凄いと感じました。ジョージタウンの舞台となったあの忌まわしき家の倒壊。日本映画では実現しづらいセットをアメリカではB級やC級でも容易く組めてしまうのには毎度驚き。

本当に美術だけは素晴らしい。
寒い感動。
以上。