皿鉢小鉢てんりしんり

関東無宿の皿鉢小鉢てんりしんりのレビュー・感想・評価

関東無宿(1963年製作の映画)
3.9
相も変わらずの“清純美学”オンパレード。しかも“暗い”のが良い。“明るい”清順はどっかモダニズムで片付けられそうだが、この暗さはたまらない。
タイトルだけ見て、なんとなく東映任侠映画のコピーを職人芸的にうまく仕立てたぐらいの感じかと思っていたらまるで違った。木村威夫美術が炸裂してて、女子高生が刺青彫るのを見に行くくだりとか、ほんとにアングラな世界に連れて行かれる感覚がある。
恐らく脚本が上手くないだけのアンチカタルシスっぷりも、木村美術、清順演出でまるで幽玄な不条理の世界を描いているように見えてくる。
ある意味日活時代で、1番浪漫三部作の源点になってるのはこれかも。