明石です

大学は出たけれどの明石ですのレビュー・感想・評価

大学は出たけれど(1929年製作の映画)
4.7
大不況の真っ只中、大学を出ていながら職にあぶれた青年が、田舎から上京してきた母と新妻をだまくらかしながら働いているフリをするも上手くいかず、というお話。小津安二郎初期のサイレント映画で、元は70分の尺だったものの大部分が消失し、残ったフィルムを編集で繋ぎ合わせて作られた1作。ストーリーはすっきりしていて後味が良く、また後年に完成を見る小津の禁欲的な映像技法の萌芽が見られるという点で素晴らしく価値のある11分なのかもしれない。また見る。

主演の高田稔氏は『カリガリ博士』のチェーザレみたいに影の濃い超ド級の二枚目(そういえばモノクロ時代の照明は彫りの深い人に当てると余計に陰影が濃くなる感じがありますね)で、田中絹代さんは若い!笑
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