Maoryu002

リリィ、はちみつ色の秘密のMaoryu002のレビュー・感想・評価

リリィ、はちみつ色の秘密(2008年製作の映画)
3.6
1964年、過去に事故で母親を失ったリリィ(ダコタ・ファニング)は父親の虐待から逃れ、黒人の家政婦ロザリン(ジェニファー・ハドソン)とともに母親のゆかりの地ティブロンに向かう。そこで蜂養場を営む黒人女性オーガスト(クィーン・ラティファ)らと出会い、自分の過去と向き合い成長していく。

女性たちの変化と人種差別のエピソードがうまく調和した良作だった。
監督のジーナ・プリンス=バイスウッドは後に「オールド・ガード」を撮ってるんだけど、全く毛色の違うヒューマンドラマだ。

クィーン・ラティファの温かみのある演技で、悲劇が重なる作品全体のトーンが優しくなっているところも良かった。
ただ、人種差別の描写は明らかに緩くて、メインテーマがリリィの苦悩と成長がメインとはいえ、せっかく1964年という時代設定なんだから、もうちょっと人種とジェンダーの問題をリアルに描いて欲しかったかなー。

リリィとオーガストたちの過去のつながりとか、母親の真実なんかも、全体的にユルかったけど、ラストシーンで大きく大人に近づいたリリィの姿は凛々しかった。
演じたダコタ・ファニングはまさに最強子役。最近は妹エルに比べて作品に恵まれていないのが残念だ。
Maoryu002

Maoryu002