こちらまたも、幻なのか現実なのか、嘘なのか本当なのかわからない世界。惚れた女性を一心に追う松田優作にもうっとり。
また、カメラカットがやはり面白い。回想と現実が同じ枠にあったり、ちょっと舞台のような演出もあった。
女性の妖艶さと美しさ。金と権力によって好き勝手な男に悲しむ女性。ホラーとまではいかないけれどヒンヤリとした怖さは健在。髪を強調していたのも気になった。(『殺しの烙印』でも髪が流れるシーンがある)
感じたのは外見という"鎧"。
玉脇に気に入られ身なりを整えた松崎は、方々で至れり尽くせりとされている。一方で、汚い格好をした姿の者は椅子さえ出してもらえない場面。
途中、博多人形を裏返し覗くシーンがある。それを覗くや否や衝撃がおきる。
なんとなく、これは浪漫三部作の一作目で中砂が人間の骨に興味を持っていたことを思い出した。
内なるもの。
また、裏と表といった話もキーになってるのではないだろうか。
もう少し、ゆっくり考えて観たい。