あつぼう

堕天使のパスポートのあつぼうのレビュー・感想・評価

堕天使のパスポート(2002年製作の映画)
3.5
祖国を亡命し、イギリスで不法滞在者として生活している人たちの現状って厳しいです。結局こういう弱者を利用して自分達の利益にしようとする輩がいてるんですよね。特に不法滞在者って事で脅して性的に迫ってくる工場のボスには嫌悪感をかんじました。
この映画ではアメリカに渡るためのパスポートを得るために自分の臓器を売るしかない人たちをテーマにしてるけど、そこまでしないとパスポートを得る事の出来ない不法滞在者の厳しい現実があります。
臓器を買い取る側からしたら不法滞在者の命など軽いものです。傷口も適当に縫われてるし、清潔感のないホテルの一室で摘出手術をされるし臓器さえ手に入ればいいんですよね。祖国に強制送還されるわけにもいかず、偽った身分で暮らす人達には大金を稼ぐ方法ってなるとこうなるのかと思い哀しくなりました。そこまでして渡るアメリカには自由な未来が待ってるのかな。

オクウェ役のキウェテル・イジョフォーが素晴らしい演技をしてましたよ。この人って喜怒哀楽の表現が凄く巧いです。顔の表情だけでこの全てを表現するので、彼の気持ちが観ていて伝わってきました。
【メリンダとメリンダ】や【キンキーブーツ】にも出演してたんですが、
そこでもまた哀愁漂う表情で素晴らしい演技をしてました。

変な邦題がついてる映画も多いけど、この映画の邦題は久しぶりにお気に入りとなりました。
あつぼう

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