トムザイルft.白蛇神

北の螢のトムザイルft.白蛇神のレビュー・感想・評価

北の螢(1984年製作の映画)
3.9
時代は明治16年、北海道開拓のため囚人たちを使っての道路建設を統括する男(仲代達矢)を中心に、冬の北海道を舞台に繰り広げられる 五社英雄監督が描く男と女のリアリズム。

ガチ吹雪いてる中での撮影や演者さんたちも素晴らしいのですが、冷たく暗い世界に生きる綺麗な着物を身につけた遊女らのコントラストが素晴らしいですね。

全体的には独裁下での強制労働や囚人の妻たちが囚われ、遊女となって働く環境や状況というディストピアを描いているものの、そこにユーモアも入り込んでいたり緩急のバランスもテンポも良かった。

また、夏目雅子さんのナレーション、夏木マリさんと岩下志麻さんレアな濡れ場、揺れる早乙女愛さんのおっぱい等々さすが五社監督としか言いようがありません。

まあ途中のヒグマ登場には笑いましたけどね。あの状況でヒグマあり得ないでしょうw 反則すぎる。それと森進一の歌がフルで流れるシーンで「アンタァ!アンタァ!」と吹雪の中行進する囚人たちに紛れている夫に呼び掛ける遊女となった女の叫びがトラウマレベルで脳裏に焼き付いてるw 今度カラオケで歌ってこようと思います。

なんだかんだ見所あり、最後までツルッと観られたので面白かったと思います。

総括すると仲代達矢さんと岩下志麻さん映画です。ラストシーンの岩下志麻さんの踊るシーン、着物姿は言わずもがな立ち姿や姿勢の美しいこと。ほんと名女優さんですね。(・∀・)