ノットステア

ゴッドファーザーPART IIのノットステアのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)
4.9
テーマ∶家族への愛。家族であっても裏切りは許さない。人間関係に余裕がなくなっていく。
ビジネス。金の動き。



○感想
やはり難しかった。
兄弟の難しさが描かれていた。マフィアの一大ファミリーを継いだ弟と、継ぎたかった兄。
のし上がっていきドンになる過程で家族を作ったヴィトーと、家族の中に力関係がある中で引き継いだマイケル。継ぐことの難しさ。
ヴィトーのほうがマイケルよりもドンとして優秀だといっていいのかはわからない。
ヴィトーの生い立ちとマイケルの現在を並行して描いている。家族を作っていくヴィトーと、家族を失っていくマイケルの対比は面白かった。
一作目で、どの兄弟よりも魅力的だったマイケル。ドンとしての力をつけていくほど、人としての魅力は減っていく。

登場人物たちはコニャックを飲んでる。高級なブランデーをコニャックと呼ぶことをこの映画で調べたことで知った。なんていうコニャックを飲んでるのか、一時停止して確認した。クルボアジェ社のコニャックを飲んでる。酒屋に行っらあった。めっちゃ高かった。次はコニャックを用意して観たいな。お酒に関して、詳しくは『ゴッドファーザーPartIII』に。

以下、ネタバレあり。















○印象的なところ
・公聴会。
チッチによると、、、マフィアのドン、本当?という質問に対して、フランキーは否定する。
マフィアのドンか否かってこともわからんの?

・インターミッションあり。途中で休憩がある映画は『七人の侍』以外で初めて観た。

・ファミリーの組織の成り立ち。
ローマ帝国の軍団を手本にして組織を作った。それでうまくいった。
皇帝への謀反が失敗した時謀反人には救いの道があった。家族に財産を残せた。
それは有力な金持ちに限る。貧乏人は関係ない。本来財産は没収。だが、自宅で自殺すればおとがめはなし。残された家族が路頭に迷うことはなかった。
安心できるしいい取り引き。
家に帰って湯船につかり、手首を切る。そして失血死。その前に宴を催すこともあった。
※原作にはなかったと思う。。。関連することは書いてあった。
マリオ・プーヅォ著、一ノ瀬直二訳『ゴッドファーザー〔上〕』ハヤカワ文庫
p.86〜
ジェンコ・アッバンダンドが息を引き取り、トム・ハーゲンが正式にコンシリエーレに任命される。
ドンの地位を安全なものにするためのファミリーの構造。コンシリエーレが裏切らない限りドンは安全。
ドンはコンシリエーレに個人的に指示を与える。コンシリエーレは個人的に指示をファミリー幹部に伝える。ファミリー幹部は指示の遂行を部下に伝える。部下が必要な人員を集め、命令を実行する。部下たちは仕事の目的も、命令がどこから発せられたかもわからない。裏切り者が出た場合は、リンクのどれか一つを消してしまえばいい。
p.404
組織全体が大きくなり、肥満状態を呈する。ヴィトーは組織の制度化に手をつける。
クレメンツァとテッシオを幹部に。その部下を兵隊(ソルジャー)と呼ぶ。
ジェンコ・アッバンダンドを顧問役(コンシリエーレ)に。
テッシオとクレメンツァを切り離す。普段の付き合いすらやめさせる。=叛旗をひるがえす機会を与えないため。
ブルックリンをテッシオの自由裁量に任せる。
勇敢で残酷なクレメンツァにはブロンクス一帯を任せるも、ヴィトーは常に目を光らせる。



○ドンとしての印象
若き日のヴィトー
盗みで稼ぐ。クレメンザとテシオと対等。
家族を作る。
みかじめ料を要求される。納得できなければ、従うふりをして殺す。
父親としての顔とドンとしての顔。使い分けている。
故郷で復讐を果たす。家族を殺された恨みは忘れない。

ヴィトー
家族を失うなんてありえない。

マイケル
7年経っても合法的な組織にはできない。
危険があるため、妻たちを自由に行動させられない。
自分勝手な姉。
実の兄の裏切り。
ベテランの敵に嵌められる。
妻が別れるために子供を堕ろす。
信用できるのは義理の兄だけ。ただし、義理の兄にも次第に冷たく当たる部分が出てくる。
次第に孤立していく。