HAYATO

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカのHAYATOのレビュー・感想・評価

3.9
2024年74本目
フィンランドの鬼才・アキ・カウリスマキ監督が放つロードムービー
極寒の地で活動する売れないバンド「レニングラード・カウボーイズ」が、悪徳プロモーターにそそのかされてアメリカへと旅立つ。アメリカで全く自分たちの音楽を受け入れてもらえない彼らは、新たな音楽を吸収し、やがて人気バンドへと成長していく。
本作のバンドメンバーを演じているのは「スリーピー・スリーパーズ(Sleepy Sleepers)」というフィンランドの実在するバンドだったが、本作が話題になったことを機に「レニングラード・カウボーイズ」として活動することになったそう。そんな「レニングラード・カウボーイズ」に加え、『ナイト・オンザ・プラネット』から監督のジム・ジャームウィッシュ、演者のマッティ・ペロンパー、カリ・ヴァーナネン、サカリ・クオスマネンが出演。
まず何よりも「レニングラード・カウボーイズ」のビジュアルが強烈であり、氣志團の比じゃない凄まじい長さのリーゼント、黒いスーツ、尖りまくった靴というファッションは、一度見たら忘れないほどのインパクト。
どうやったらそんなユーモア思いつくんだよと感嘆してしまうシュールな笑いが盛り沢山で、フィンランド人が内気でシャイな国民性を持つというのを踏まえるとより笑えてきちゃう。
バンドの音楽は行く先々で悉く不評だったものの、個人的には様々なジャンルの音楽を奏でてくれる彼らは結構魅力的に映った。
「民主主義の復活」という実に皮肉の効いた見出しと共にウラジミールの独裁が復活してしまってどうなることやらと心配していたけど、なんだかんだバンドが成功してくれてホットした珍道中でした。
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