不死鳥の川

招かれざる客の不死鳥の川のレビュー・感想・評価

招かれざる客(1967年製作の映画)
3.8
黒人の男と白人の女が結婚するにあたり、今よりまだ黒人差別が激しかった時代に降りかかる様々な苦難や親の葛藤を描いた作品。

2020年342本目。

タイトルは有名でよく聞くような気がします。差別問題を扱う映画は60年代のこの時には既にあり、今なお活発に製作されている訳ですが、本作は少し最近のものとは違うのかなと思いました。

近年の人種差別を扱う映画はとにかく差別は良くない、人類みな平等ということを訴えるものが多い気がしますが、本作は差別がある現状でどう強く生きれるか、どう差別から守ってあげることができるか、という観点だったと思います。勿論差別は許されることではないし、最近の映画の志向に異論はないですが、少し攻撃的な感じがしてしまうのに対し、本作はそういう問題を愛で乗り越えようとしている点が良かったです。

つまり親が結婚に反対するのも、単純に差別から来る嫌悪と言うよりは、結婚の後降りかかる困難を案じた愛が要因だった訳です。そのような葛藤を細かく描写して辿り着く答え、相当の覚悟と説得力に感動します。

キャサリン・ヘップバーン、好きです。
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