ねぎおSTOPWAR

レッズのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

レッズ(1981年製作の映画)
4.2
"同床異夢"

ウォーレン・ベイティが脚本、監督、主演した映画。相手役はダイアン・キートン。
脇はジャック・ニコルソンにジーン・ハックマン!!シブイ!!

ジャック・リード(ウォーレン・ベイティ)とルイーズ・ブライアント(ダイアン・キートン)の二人はジャーナリストから運動家、政治家と生きて行く人物。
時代は第一次世界大戦。
ドイツと戦うはずの同盟国ロシアは、1917年大荒れに荒れる。ロシア革命の真っ只中、リードとルイーズは"共産主義"に取り組んだ。

この共産主義って難しくて・・わし何度も断念。今地球上いくつかある共産主義国のやり方は、本来マルクスが主張したものとは違うわけです。実は資本主義社会が成熟した後に移行すべき形態と言っているわけで。
俗に言う"アカ"の共産主義とは、ソ連や中国、北朝鮮の如く政治的な独裁に利用する主義のことかと。
このロシア革命の頃ってその理想と実態が混在していて難しく思います。
本来的な思想と、政治利用を考えるやつらが同じマクラで寝ていたんですね、この当時。


ウォーレン・ベイティがなぜこの題材をここまでして映画にしようとしたのか・・。推測に過ぎませんが、ハリウッドでも蔓延したアカ狩りの被害者たちの名誉のためではないかなと。
エリア・カザンもこの映画でのリード、ルイーズ、そして1980年前後の多くの心ある韓国人たちはみーんな"アカ"と呼ばれ迫害を受けます。その取締りこそヤツ等と同じやり方じゃないか!

劇中にもあります。
ボリシェビキが当初言ったのはパンと平和。労働者と農民が「戦争をやめよう」と言ってやめさせた。アメリカは「戦争をやめよう」と言って政権を取ったら半年で反故にし10万人のアメリカ人を死なせた。
「革命」とは政権を転覆させようとするものではなく、戦争の起こらない世の中にしようよというもの。でもまたレーニン主義は結局労働者や農民を被支配階級に・・。

この映画のアメリカほかアカ狩りする奴らはこの本質のところを恐れてる。

いつの世も取り憑かれたように戦争に突き進もうとするバカがいる。そのバカたちは決して戦場には行かない。そいつらが並んでロシアンルーレットすりゃいいんじゃないか?

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アカデミー受賞作品を観よう150(1981年第54回監督賞/撮影賞/助演女優賞モーリン・ステイプルトン)
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