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名探偵コナン 天空の難破船(ロスト・シップ)のRのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2010年の日本の作品。

監督は「名探偵コナン 漆黒の追跡者」の山本泰一郎。

あらすじ

東京都西多摩市の国立東京微生物研究所が7人組の武装グループに襲われる。彼らは「赤いシャムネコ」というテロ組織であり、「7日以内に研究所で手に入れた殺人バクテリアを使う」犯行声明をネット上に流す。そんな中、鈴木財閥、相談役、鈴木次郎吉が怪盗キッドに挑戦状を叩きつけ、世界最大級の大型飛行船「ベル・ツリー号」にビッグジュエル「天空の貴婦人(レディー・スカイ)」を収め、彼を誘き寄せるために出発する。コナンたちも招待された飛行船だったが、突如、武器で武装したシャムネコによって飛行船はハイジャックされてしまう。

アマプラにて。コナン最新作を記念して絶賛劇場過去作が配信されているので、配信が終わる前にとりあえず数だけこなそうと観た一作。

シリーズとしては第14作。小五郎の声も小山力也に変わってるし、割りかし最近のイメージの作品なのかな?

で、今作でスポットが当たっているのが青山剛昌の他作品の主役でもある怪盗キッド。劇場版としては過去にレビューしたシリーズ3作目の「世紀末の魔術師」以降も度々登場して、本作が4度目の登場となるらしい。過去の作品では割とキザなイメージのキャラクターだったが、本作では趣向を変えて割とコミカルな部分が目立つ(事態が急を要するのにヤギに餌をあげるシーンとかのほほんとしすぎてて笑った)。

また、キッドといえば、コナンに変身してしまう前の姿高校生探偵新一と瓜二つというのがチャームになってたけど、そこんところもフューチャーされており、「レディー・スカイ」を盗むため変装して忍び込んだ飛行船の中で蘭に正体がバレてしまい、咄嗟の判断で新一=キッドの設定で嘘をついたことで、それをまんまと信じてしまう蘭。

いくらなんでも高校生探偵をやりながら怪盗掛け持ちは強引すぎるのではと思いそうなもんだけど、顔自体はそっくりなもんで、まぁ信じてもおかしくないのかな?つか、この頃ってまだキッドの顔ってバレてない設定なんか?

まぁ、そんなこんなでキッド←蘭←コナンの三角関係も描かれるところが見どころ。そこに「ふふふ」と事態をニヒルに見守る哀…良いポジションだわ。

また、本作殺人事件が起こられない代わりに殺人バクテリアによるパンデミックが描かれるんだけど、急に顔や体の部位がかぶれてぶっ倒れるって怖えなぁ。飛沫や空気で感染するかもしれない点など、結構今のコロナ禍を予見している部分があるのも怖い。

で、飛行船の中で逃げられないし、誰が感染しているのかもわからない中、更にハイジャック犯であるテロ組織「赤いシャムネコ(そのネーミングセンスどうなんだ!)」に占拠される絶対的ピンチの中、成り行き上コナンとキッドが共闘する点も面白い。

名探偵×怪盗というある意味最強のバディがハイジャック犯と飛行船を舞台にして戦うということで、要はコナン版「エグゼクティブ・デシジョン」ってことかw!!

コナンはコナンで相変わらずのハイスペックというか超人過ぎで、特に内部でのスケボーバック走行を駆使してのスピーディーなアクション!相変わらずの爽快感で映画的。またキッドは派手なアクションこそないものの要所要所でコナンをサポートしつつ戦略的な助言をしたり、それこそコナンのピンチに変装を解いてまで飛び出してグライダーで助けるなどヒロイズムな活躍を見せてくれる!

またシャムネコ側もTHEテロ組織なコワモテ集団でありながら、実は内部に共犯者がいて…のくだりとか殺人事件がない代わりの犯人探し要素も加味していて地味に楽しめる(まぁ、容疑者が少ないのですぐわかっちゃうちゃあわかっちゃうけど)。

そして、シャムネコリーダーとの戦いと飛行船あわやハイジャックの余波で墜落かのピンチをくぐり抜けて残すは蘭とキッドの伏線だけとなった後のめちゃくちゃ強い引き!!

これは当時劇場で観てたらエンドロールまで席立てないだろうなぁ。

映画ではお馴染みの博士のクイズを一件落着した後のラストに配置する地味な意外性もあり、平次や和葉、そしてなぜか少年役のゲスト声優、ポニョ主題歌でお馴染みの大橋のぞみの活躍などもあり、結構楽しめた作品でした。
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