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アルファヴィルのtheocatsのレビュー・感想・評価

アルファヴィル(1965年製作の映画)
3.0
ゴダール的イー加減さ、功罪相半ば

のっけから言えば視聴は大変苦痛だった。個人的感覚に過ぎないかもしれないがコンピューター主の嗄れ声と随所に挟まれるピーピーッ電子音が生理的に不快不愉快。躍動感のない停滞気味のストーリーと映像のせいか極度の眠気に襲われ視聴を一時中断。ストレッチと呼吸調整で体調を一度リフレッシュさせる必要があった。以上はネガ面。
ポジ面はパリでのロケにもかかわらず意外に地球外空間に思えなくもなってくること。うそも繰り返せば真実味を帯びるとはこのことか?
音楽がアンリ・ディティユーというのもクラシックファンなら注目点かも。

ベルリン金熊賞作品として期待すると肩透かしを味わう可能性大だが、実験映画と割り切るならユニークさも見いだせよう。
これがハリウッド作品としてリメイクされたならその完成度合いは凄いものになるだろうと容易に想像がつくが、”抜かりのないハリウッド手法”は考えただけでゲップが出そうなので、ある意味テキトーなゴダール的手法+モノクロのB級感が案外丁度良かったのかもしれないなとも思う。

011908
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