垂直落下式サミング

ブルース・ブラザースの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)
4.2
イリノイ州シカゴ。アメリカど真ん中まつり。
僕の好きなお気楽どたばたドンがらがっしゃん乱痴気騒ぎ映画は、まあ色々あるんですけども、そのなかでも完成されてるのが本作。断捨離なんかする気ないけど、もうこれ一本あればいいじゃん。そんな気持ちになっちゃうくらいど真ん中。いろんなもんを相手取ってバカにしているのに、妙な上品さ。ネオナチはワーグナーとともにっ。
ムショあがりのアニキをむかえにいって、むかしのシカゴの町並みを改造パトカーで流していく。シカゴという聖地。ブルースがはじまる場所。二人の黒服は、そこでJB率いる黒人聖歌隊の讃美歌からバンド魂を授かる。
富裕層だとか、ネオナチだとか、鬼嫁だとか、同業者だとか、いろんなもんを敵に回しながら元バンドメンバーのもとをまわって、神のお告げで再結成を訴えかけていく。はたして、はたして、どうなるこの珍道中。
バンドやったことある人は、みんな好きなんじゃないかな。バンドってこうなんだよな。金銭的に自転車操業で、社会的にも認められず、各々のモチベーションだって常にぐらぐら、リーダーは両手いっぱいに問題を抱え込みながらドサ回りしして、止まってたってふってわいてくるあれこれを一個ずつ解決していくしかないみたいな。普通の感覚だと、到底できませんわ。
ごちゃごちゃ余計なこと考えずに、毎週サタデーナイトにステージに立てるだけの余裕さえあればエエねん。言うは易し行うは難し。それを乗り越えていく心意気がエンターテイメントを作ってる。