青二歳

おこんじょうるりの青二歳のレビュー・感想・評価

おこんじょうるり(1982年製作の映画)
4.8
キネマベストテン文化映画1位。きねとうあきらの創作民話を岡本忠成が土人形でアニメーション化。アニメ化に際し作曲されたオリジナルの浄瑠璃がとてもよい。
唄:曽我マミ(どうも美鵬成る駒という民謡の方のようです)、作詞:東川洋子、作曲&演奏:髙橋裕次郎・堅田喜三久・中川善雄。
曽我マミさんという方が唄うキツネの“おこん”の浄瑠璃。いわゆる女浄瑠璃で聞くものとは違う。民謡出身の方と聞いて納得。キツネということでヘタウマに高い声を出したりするんですが何度も聞くうちにとりこになってしまう。なんとも言い難い透明感がある。

【おはなし】
高齢になり体力も霊力も弱ってきた盲目のイタコのばあ様の元に、ある日キツネがやってきた。キツネは化けるのが大層下手だが、ばあ様は追い払うこともできない程弱っていたので、キツネのするがままに任せた。するとキツネは妙な楽器をとり浄瑠璃を歌い出す。何事かと思いながらその不思議な力をもつキツネの浄瑠璃を聞いていると、ばあ様の身体が楽になった。
なんたることかと驚いて話を聞くと、おこんの浄瑠璃には病を癒やすものだという。そして孤独な二人は身を寄せ合うように一緒に暮らし始める。しかしそこに悲劇が…

とにかくおこんが唄う浄瑠璃が聞きたくて何度も見てしまう。言祝ぎに満ちた浄瑠璃は、ばあ様だけでなく自分も心が洗われるような美しい言霊の魔力がある。
青二歳

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