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となりのトトロのめるのレビュー・感想・評価

となりのトトロ(1988年製作の映画)
5.0
"My Neighbor Totoro"


カナダのホストファミリーに毎週金曜日が映画鑑賞会ということで、日本の名作アニメーション映画『となりのトトロ』を薦めました。
日本映画のおすすめは何かと聞かれたら、迷わずトトロと答えてしまいました。小さい子供から大人まで楽しめるファミリー映画といえばトトロを最初に思い浮かべます。(ちなみにホストファミリーの家族構成はお父さん、お母さん、男の子7歳、女の子5歳です。)

海外でも高い評価を受けていて、ディズニーピクサーのジョン・ラセターも大好きな映画だと知っていたので、気にいってもらえるだろうと確信していましたが、まさにその通りの反応を見ることができました。

子供がまだ幼いということで英語吹き替えでの鑑賞でしたが、それでも十分素晴らしい映画でした。


オープニングで小トトロがぴよーんと伸びて"トトロ"の文字を作るところから笑い声が起こりました。ちなみに「さんぽ」は力強く元気な英語バージョンに吹き替えられて歌われているのですが、悪くはないのですが、日本語のほうがずっと良いです。

特に5歳の娘がいるということで、始終めいの動きにお父さんお母さんの目は惹き付けられていました。
例えば、「トトロは本当にいたんだもん。ウソじゃないもん」と言ってめいがうつ向いてムスッとするシーン。ここは特にウケていて、「まさに自分の娘そっくりだ!」と女の子とめいを愛おしそうに見て笑っていました。
他には、「起きろー!」とめいがお父さんに叫ぶシーン。共感の笑い声が響いていました。
子供はどこの国も同じだなぁと微笑ましくなりました。

子供たちが笑って楽しんでいたシーンはたくさんありました。ありすぎて語りきれませんが、小トトロをめいが追いかけるシーンはかなり気に入っていたと思います。

トトロはやっぱり人気で、子供たちも大トトロを怖がることもなく、大好きになっていました。いきなり登場したネコバスには子供以上の反応を大人が見せてくれました。

実際、物語が3分の1ほど進むまでトトロは出てこないのですが、それでも飽きることはありません。次々とシーンが切り替わっていく洋画に慣れている人たちからしたら退屈に感じてしまうのではないかと少し不安だったのです。
むしろ、トトロが出てくる前のシーンの前ですでにお父さんは「(先週に家族で観た)ピーナッツよりずっといい。この映画は最高だ!」とつぶやいていました。(ピーナッツごめんw)
お母さんも物語中盤で何度もも"Great"の言葉を並べていました。
女の子も映画の途中でお父さんに「おもしろい?」と聞かれて頷いていて、夕ごはんのピザを食べる手も止まっていて、トイレに行くために席を外すのもしぶしぶというかんじでした。
男の子は一度も席を立つこともなくずっと夢中になって観ていて、映画が終わったときには「もう1回観たい」と言っていました。

ちなみに、私はさつきがお母さんに髪をとかしてもらっているシーンとさつきとめいがトトロと一緒に空を飛ぶシーンとさつきがお母さんが死んでしまうのではないかと心配するシーンで涙腺崩壊しました。今まで何度も観ていた作品なのに、自分でもびっくりするくらい惹き込まれてしまいました。

エンディングは英語バージョンの「となりのトトロ」ですが、日本語よりは劣るとはいえ、いつ聴いても素敵な歌だと思いました。登場人物のイラストも可愛くて、ホストファミリーも最後まで楽しんでいたようです。


子供も大人も楽しむことができる映画に『となりのトトロ』ほど素晴らしい作品があるでしょうか?
この映画を楽しんで観ているホストファミリーを見て、私もとても幸せな気持ちになりました。そして、家族と一緒に観ることがさらに作品を面白くしてくれていると改めて気づいたのです。

まさに魔法にかかったような素敵なひとときをみんなで味わうことができました。
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