不死身のKOKI

太陽を盗んだ男の不死身のKOKIのレビュー・感想・評価

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)
5.0
久しぶりに再観賞。

何かに成りたい。退屈な日常から抜け出したい。そんな夢想を抱き、ついに創り出した原爆。

しかしいざ作り出したものの、やりたい事は見つからず、自分もろとも周囲を巻き込んで盛大に破滅していく沢田研二には爽快感と共に虚しさを覚える。

70年代後半のまだ戦後数十年しか経っていないご時世の中で、あそこまでタブーに触れるような脚本を組み立ててきた長谷川監督も凄いんだが、虚無から抜け出そうと足掻く木戸を演じ切った沢田研二もまた並々ならぬ魅力を感じた。

各所で和製『タクシードライバー』だの『ジョーカー』だのと言われているが、コレはむしろ被爆国の日本だから作ることが出来た唯一無二な作品であり、原爆の恐ろしさをどの国よりも知ってるからこそ、沢田研二の異常さが際立っていたのではないかと思える。オールタイムベスト日本映画です。
不死身のKOKI

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