Hoshiduru

太陽を盗んだ男のHoshiduruのレビュー・感想・評価

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)
4.2
一回も後ろを振り向かないような話が観たい!という欲求と、理解できない心を観たい〜という欲求、両方満たされたので非常に満足している。

本当に輝いてたな、あの瞬間。どんなものでも生みの苦しみと喜びだけは、共通してるんだなって、ちょっと微笑ましくなった。かわいい。
原爆っていうのが麻痺してくる、やべーなって不意に気づくんだけどさ、原爆爆破したらどちらにしろ大量の人を巻き込んで彼は死ぬだろうに、放射能で死ぬ方をつい心配してしまう。

原爆と男女3人という構図やゴリラマスクが、私に軽率にコングとゴジラを思い出させるんだけど、コングやゴジラよりもずっと、3者がその役を超越して、独立して関わりあっていて、全員がそれぞれ人間かつモンスターであるのが、どことなく新鮮で不思議な感覚。刑事への執着が、本当に動機がうまく理解できなかったけど、めちゃくちゃ好きだったなあ。あと女装が最高にキマってた。
のっぺりとした世界の中で、みんな何かが爆発するあの瞬間をどこかで求めてたのかなあ。
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