ArsMoriendi

メメントのArsMoriendiのネタバレレビュー・内容・結末

メメント(2000年製作の映画)
2.4

このレビューはネタバレを含みます

アイディア一点突破の作品というイメージ。とても考え抜かれて作られた作品であることはわかるが、あらすじを聞いた時の「面白そう!」という予想は上回ってくれなかったかな。レナードが記憶を失うことが単なる欠点として描かれていて、彼がフラストレーションを味わうたびに観客も同じフラストレーションを抱いてしまうのは構造としてどうなんだろう。こういう設定って「記憶を失うことが意外と長所として働いた」っていう場面がないとちょっと辛い気がするし、実際に見ていて辛い場面もあった。写真の裏にメモなんて書かずに、レナードがテディをその場で殺していればこんな複雑な事態にはならなかったのでは? とかの、面白い映画であれば気にならないはずの細かい部分も気になってくる。インターステラーはNASAが出てきた時点で「あ、この作品は細かいことを考えずに楽しむ作品なんだ」とわかって、そこで意識を切り替えて楽しむことができた。メメントもそっち側の作品だと思う……というかノーランはそっち側の作品しか撮れないのだと思うが、それにしては話がちょっと悲惨すぎるんだよなあ。
評価は最初は3.2にしていたのだけど、結局のところ障害者が搾取されるだけの映像を二時間も見せられたんだよなあ、そんな不快映像をインテリが逆順に再生してドヤっただけの作品なんだよな、とか思うと悲しくなってきたので、2.4で。
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