ノーラン作品でまさかの未見のまま残していたメメント。さすがキレキレだ。ノーラン兄弟って、「何某かの時空間に閉じ込められた男」ってモチーフを繰り返し描いてるよね。プレステージも、インセプションも、インターステラーもそう。ここから始まっていたのか。自分の記憶のしっぽを追いかけて、記憶が保てる数十分の中をループし続ける男…。記憶に閉じ込められた男…
モチーフのみならず、映像化の手法も文句なしにカッコいい。逆再生という斬新な手法、そのクレバーさはまじノーラン節万歳。ポラロイドやタトゥーやメモと言った「記録」装置を、道具としても美術としても最高にかっこよく用いているのは、フィンチャーのセブンやファイトクラブも彷彿とさせるし、インセプションの独楽や、インタンステラーの書棚を想起させる。この人たち、まじで巧者だよ。はあ、嘆息。
過去については複数の解釈にオープンなまま、敢えて一つの解に閉じずに残している気がするので、そこの議論は各自解釈に委ねるということか。これは何度も見る甲斐がある映画だー。
