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ICHIのmitakosamaのレビュー・感想・評価

ICHI(2008年製作の映画)
2.7
座頭市ならぬ瞽女市というリメイク版座頭市。主演が綾瀬はるか、監督が曽利文彦という布陣なので、多くは期待しない。
香取慎吾版よりかは遥かにマシという評価だな。

市を女に改変しての今作。宿場町に来たらヤクザが蔓延っていて、そいつらを退治するというお約束の物語。
瞽女である自分を犯しにかかるチンピラを叩き切る市。居合わせた侍が大沢たかお。

この大沢たかおがトラウマで刀が抜けないという設定。他のフォロワーさんもレビューしていたが、こいつがホントにコントのように酷い。
チャンバラになると刀が抜けなくズーっとオタオタしてる。馬鹿かな?

で、宿場町では地元のヤクザを差し置いてならず者集団が蔓延っている。このリーダーに中村獅童。
このならず者集団もよくわからん。いかにも悪そうだが、具体的に何をしていたんだ?最後の方で「この宿場にもう用はねぇ」みたいなこと言うがなんの用があったのか?
服装も妙にカブいてて時代背景もサッパリだ。

肝心の市はボロは着ているが、顔はプラッチックのごたるピカピカっぷり。リアリティのカケラもない。

チャンバラは出来ないことが最初からわかっているので別にもう良い。
むしろ曽利文彦は映像センスはあるので、カット割りで上手く見せていると思う。

盲目な上に女であることで差別されるという二重に弱い存在でもある。性的に弱い存在だからこそ、悪感に立ち向かうことは映画的なカタルシスになるのは当然だ。
だが、ラスボスである中村獅童は先に大沢たかおと相打ちになる。

市は手負いのラスボスを倒すことになるのだ。なんだそれ?
弱い女が戦って勝つから価値があるんだろ。それが男の手助けがあったらカタルシスもヘッタクレも無ぇ。
綾瀬はるかと大沢たかおでラブロマンスな雰囲気を作りたかったのかもしれんが、男の助けなしで勝てなかったヒロインで終わったことが今作最大の失敗だと言い切れる。
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