アカショウビン

天国と地獄のアカショウビンのレビュー・感想・評価

天国と地獄(1963年製作の映画)
5.0
数年前の午前十時の映画祭以来の鑑賞。当時見たときもめっちゃ面白いと思ったけど、今回見たらぶっ飛ぶような面白さであらためてビビった。しかもロケ撮影も多いし、最近古い日本映画を見る大きな理由が昔の日本を見たいからだからそういう観点でもありがたかった。



めちゃめちゃ面白かった。
シューズ会社内のドロドロした政治と、誘拐事件と執念の捜査だけど、捜査の緻密さヤバすぎん?小さい手がかりからホシを絞っていくの緻密すぎて凄かった(すごい)ワクワクした(観客は誰が犯人かだいたい分かってるけど)。インテリの犯人もなかなか不敵な奴でけっこうかっこよかった、と思ったら若い頃の山崎努か。路地裏のヤク中浮浪者の群れヤバイね。ゾンビみたいだった。竹内にクスリの試し打ちされた女トタンを爪で引っ掻くのやめろ。あそこだけ音が苦痛すぎて耳塞いでた。
今回は三船のどっしりした演技より、仲代達矢のひょうひょうとした刑事の方が面白くて良かった。犯人の動機だけが分からない状態でラストの面会シーンがあるけど、そこで竹内が語った動機「冬は寒くて寝られない、夏は暑くて寝られない、そんな時丘の上のあなたの家を見ると天国に見えましたよ。…」まだ続くけどなんというかthe若いインテリ犯人って感じやね。嫌いじゃない。

黒澤明の映画はところどころ笑いがもれるところあって好き。「あいにく花を買いに行くような面の奴はいません。」だったかな?みんなが一番笑ってたのわ。