PARADISO

天国と地獄のPARADISOのレビュー・感想・評価

天国と地獄(1963年製作の映画)
4.7
2012年10月21日 購入したBlu-RayDiskを鑑賞。

黒澤監督が手掛ける現代劇、初鑑賞。
ともすれば”身代金奪取”のトリックに焦点が当てられがちだが、この作品は丹念に人間を描いた演出が胆だというのが、改めて思い知らされた。

自分の信念と人間の良心の間でもがき悩む、主人公・権藤金吾を演じた三船敏郎の重厚な演技と、ふてぶてしさの影に押し込んだ小心ぶりを最後に露呈する誘拐犯・竹内銀次郎を熱演する、
新人時代の山崎努が漂わせる無常感が良い。

「捜査会議の部分が冗長」というレビューもあるが、僕は好き。
特に権藤警部(仲代達矢)が犯人にトラップを掛けるために、マスコミを集めて”ある依頼”をするシーン。
記者を演じるは、千秋実、北村和夫、そして若き日の大滝秀治(ノンクレジット)と馴染みの面々。
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