スローモーション男

天国と地獄のスローモーション男のレビュー・感想・評価

天国と地獄(1963年製作の映画)
4.8
 黒澤明が描く社会派サスペンス

三船敏郎演じる靴メーカーの重役は息子と間違えられた運転手の息子を犯人から救うため、身代金を用意する。身代金を渡し息子は助かったが、警察たちは犯人を追いかける。

最初の1時間、部屋の中のシーンだけでそのあと野外になってくるのでメリハリがすごいです。
そして身代金を新幹線こだまから投げるシーンは一発で撮ったので恐ろしいです。その他、川にごみ溜め足りある家の二階を取り壊したり黒澤明はやることが違います。


そして内容も悪いやつには罰を与える物語ですが、最後の山崎努の演技にはそれを凌駕しました。犯人にも辛い過去はあるんだという心情があの叫びから伝わってきます。

この映画、ただもんじゃないです!