ポレポレ

影武者のポレポレのレビュー・感想・評価

影武者(1980年製作の映画)
2.8
NHK BSの『プレミアムシネマ』で鑑賞。

仲代達矢による威厳溢れる武将 武田信玄と野鄙な“影武者”、さらに「信玄を演じる“影武者”」との演じ分けは素晴らしい。ただし、“影武者”が信玄にたった一度対面しただけで畏敬の念を抱く場面の心理的・映像的描写が全然足りない。何も持たず何者ですらなかった男がどうして「武田信玄」になることを自ら望み、全うせんとしたかのドラマが本作の肝腎要なのに😮‍💨!

“影武者”が主人公として魅力的に描かれないままストーリーが展開されるため、179分はただ冗長で苦痛な時間に。敵どころか味方にもバレてはいけないというハラハラドキドキも感じられず、むしろ「あ、これはそのうちバレるな……ああ、そんなことしたら……ほ〜ら、バレた😅」ぐらいの軽い感覚。

お津弥の方(桃井かおり)・於ゆうの方(倍賞美津子)と側室を2人も登場させた意図が解らない。男だらけの空間に添える華のつもりか?

信玄の子 諏訪勝頼(萩原健一)は最近だと肯定的評価もされているが、本作では暗愚に描かれている。時代を感じる。

信玄の弟 信廉(山﨑努)の台詞「人の影はその人を離れて一人歩きはできぬ」が印象的。
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    気になった映画を片っ端から鑑賞。過去に遡って記録することもあります。