アモット

ドッグヴィルのアモットのレビュー・感想・評価

ドッグヴィル(2003年製作の映画)
5.0
善意と倫理、道徳心、表裏一体の欲望と大人子供男女問わずの醜悪なエゴ。

町民全員が守る代わりに労働を増やしさらに賃金は減らす⁉︎
あり得ないけどよく分からない理屈で名案だとほざくトム。
童貞をこじらせ過ぎて人間の本質さえも失いながら町民を説くトムには理解の範疇を超えたモンスターにしか見えない。
これが一番醜悪。

そして、ついつい美しさに見惚れてしまうグレース演じるニコール嬢。
彼女の心の動きも僕の理解を越えていて、想像するしかないけど、町民の要求を全て受け入れてしまう。
それはある意味今までの生活の反動なのか、あるいは彼女の本質なのか。
だとすればあのラストはどう考えれば良いのか。

単に人間の醜さに焦点を当ててるだけの作品でないのは確かだと思う。
根底にはキリスト教の教えのアンサーにも思えるが、これは勉強不足でよく分からないや。

斬新な舞台風の全編平面なセットの中での3時間。
純文学風の物言いやナレーションが最初はとっつきにくかったけどそれも含めて集中して観れた。
アモット

アモット