Aki

ドッグヴィルのAkiのレビュー・感想・評価

ドッグヴィル(2003年製作の映画)
3.8
ラースフォントリアーのレトロスペクティブ、イディオッツと二本立て。前半ところどころ寝てしまった(個人的に2本立てでは、度々2本目でやらかしてしまう)。


序盤は、とにかく本作の特殊な撮り方の手法が気になる。舞台演劇のよう。

中盤からは違和感にも慣れ、話が展開しだす。
気持ちの良い内容になるかと思われたが、途中で様子がおかしくなりだすとそこからはしんどい展開続き。
特にとあるシーンでは、隔てる物がない故の残酷でグロテスクな描写で、絶望感がものすごい。

現実にも存在している凡ゆるハラスメントを一身に受ける。どんどん谷底に突き落とされていくようで辛い。しかしこれは2003年のフィクションなのであるが、2024年現在の我々は……。

精神的な清らかさを保とうとする姿勢は確かに美しく、それが最後まで貫き通されていくが、あまりに理想であって、他人に期待しない姿勢は正しいが苦しい。(本人他人の意識するしないに関わらず)他人を追い詰める結果になる。


最後に選ばれた結末は、償いがあって初めてニコールキッドマンの態度は成立するのであって、それが為されないのであればああなるしかないというドライさと苦さがある。溜飲は下がらない。
その姿は最後まで高潔であった。

そしてニコールキッドマンが終始とにかく美しい。
Aki

Aki