misa

ストレンジャー・ザン・パラダイスのmisaのレビュー・感想・評価

3.8
特に起伏のないストーリー。退廃的な様相が始終続く中、突然差し込まれるユーモアによって狂わされるリズムがウィットに富んでいる。
工業発展を遂げたアメリカに住み、故郷の面影を消したいウィリーはハンガリーから来たエヴァを拒絶する。関わり合いの中で段々とエヴァを受け入れるウィリーの心情変化は位置関係で表されている。
出会ってから常に左側に位置していたエヴァ。二人の会話にユーモアが混じり出し、エヴァがそれを受け入れ差し出すシーンで二人の位置は初めて入れ替わり、エヴァが画面の右側に位置する。
なだらかなストーリーの中、徹底的に守られたカメラワークのさりげない試みによって、細やかな変化が演出されているのである。

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そこにうつる顔のわずかな表情の、変化によっていろんなものを受け取ることができる映画だったな
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