オノタカノフ

恐竜・怪鳥の伝説のオノタカノフのレビュー・感想・評価

恐竜・怪鳥の伝説(1977年製作の映画)
2.0
wikiを見ると、結構詳しく制作事情が書かれていて、東映の岡田社長の「アイデアが枯渇したその一本が本作品」なんだそうで。納得できる評ではあります。

肝心の恐竜と怪鳥が、ゴム製のおもちゃみたいで残念至極。「ゴジラ」以来の特撮の伝統とは無縁の映画のようです。

恐竜の方がそのザマなんですが、人間の方はというと、これは渡瀬恒彦さんの無駄遣いとしか言いようがない。

恐竜と怪鳥がなんともかったるい死闘を繰り広げる中で、富士山噴火の前触れで溶岩が至る所から噴き出し始め(恐竜と怪鳥の脅威なんぞ問題にならないくらいの脅威のはずだが)、樹海の中で地割れが起きたりそこらじゅうに火がついたり大変なことに。そんな中、ともにウエットスーツを着込んだ渡瀬恒彦と元カノが右往左往。

倒れかかった木に両手両足でしがみつく元カノ。腕だけでなく足も使った方が安定していいのはわかるが、これじゃナマケモノである。なんとか助けようとする渡瀬恒彦。ウエットスーツのせいで二人とももじもじくんのような風情。

バックに流れるのどかなスローバラード ♪生まれる前のー 安らぎにー 二人の死を暗示しているような歌詞だが、他の部分が聞き取れなかったので、どんな役割があるのかは不明。少なくとも、元々大してなかった緊迫感を、さらに削ぐことには貢献しているようだ。

渡瀬恒彦の指と元カノの指が触れ合うかどうかというところで、唐突に映画は終わりを告げる。二人の運命は果たして…。それは、私たちの心に委ねられているのかもしれない。知らんけど。
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