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イルマーレのbibooのネタバレレビュー・内容・結末

イルマーレ(2001年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

チョンジヒョン目当てで鑑賞。かわいい。

フィルムで撮影されたというトーンと映像がとても美しく、それだけで良い映画だったと思える作品。1カット1カット何度も撮り直したり画角に拘ったり、準備にも時間をかけているという裏話が映像美から伝わってくる。それなりに時代を感じる編集もあるけど何故か古く感じないのは画面が洗練されているからだと思う。朝焼けバックに家が影になり映る引きのシーンとか本当眼福。料理シーンがやたらお洒落なイメージビデオっぽいのはウケたけど。

席毛島の海岸の毎日の日の出・日の入りのアングルを研究し建てられたという建築もすごい良い。家自体はハリボテで中は空洞。台風で壊れて今は無くなってしまったそうで残念。

内容は、手紙がモチーフな時点でまさかとは思ったけど、韓国でも大ヒットして今でも根強いファンがいる岩井俊二の「Love Letter」のオマージュ。「Love Letter」は本当に韓国でオマージュされまくってる。
画角だったり撮り方だったりも多分他の色んな映画の手法を真似してる気がする。どうやって撮ってんのと思うところもあるけど、監督がかなり勉強熱心な人なんだろうなと伝わってくるほどモチーフの詰め込みを随所で感じるし、それが実験的にも見える。
一箇所、雨の降らせ方がそんなことある?みたいな真横で滝流れとんかぐらいの若干雑な感じでちょっとわろたけど。

なんか昔のラブストーリーって簡単に殺して涙誘う時代だったような気もする…。30分くらい超えたあたりからまさか死ぬんじゃ…殺してくれるな…と思いながら見てた。予想通りの展開ではあったけど、映像の美しさと言葉少なな叙情的な感じの良さが上回って気にならなかった。ただ、ソンヒョンが結局死ななかったことでウンジュの時間が戻る展開(この解釈もあってんのか)は、パラレルワールドの理解がむずいなとは思った。

完成の設計図はすごい上手なのに、イ・ジョンジェさんが軽く書いてるラフがおぼこいのがシュールだった。

夜寝る前に見るとすごい心落ち着く映画。
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