竜平

ALWAYS 三丁目の夕日’64の竜平のレビュー・感想・評価

ALWAYS 三丁目の夕日’64(2012年製作の映画)
4.1
古き良き昭和、東京の下町「夕日町三丁目」に生きる人々を描くハートフルコメディ『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの3作目。前作から少し時は経って5年後、東京オリンピック開催の年が今作の舞台。

いやはや、一平と淳之介、大きくなったなぁ。とか、親戚みたいな感想は置いといて、あまり年代の変わらなかった1から2作目の流れとは打って変わって、今作ではお馴染みの登場人物やその状況にも変化が見られたりする。鈴木オートは大きくなってるし、茶川の家は二階建てになってるし、そんで堀北真希もどんどん可愛くなっていくし横文字に弱い感じも可愛いし、おっと脱線した。今作では「時代の移り変わり」みたいなものも色濃く描かれている印象。外国文化、漫画やテレビ番組といった大衆娯楽など、まぁ詳しくはわからないけどもその年代の人じゃなくても見ていて感じられる「懐かしい雰囲気」というもの。これはシリーズ通して素晴らしいところ、一緒になってほっこりできるってゆー。「ひょっこりひょうたん島」とか「シェー」とか、これもなんか聞いたことあるってな人はたくさんいるはず。で、相変わらず温かさと切なさの同居するエピソードの数々がやっぱり涙を誘う。新キャストがまた何人かいるわけだけど、その中でも今作は森山未來の役どころ、このキャスティングは絶妙だなと。吉岡秀隆扮する茶川が1作目と比べてだいぶナヨナヨしてるけど、ってのはまぁスルーしとこう。堤真一と薬師丸ひろ子は安定の良き夫婦模様、六ちゃんとのエピソードなんかは1作目を思い出すと涙なしで見れないなと。

そうそう、1作目の感動はやっぱり越えられないんだけども、これまでの流れを汲むと本当にグッとくるし、とくに1作目のいろいろをここに来て思い出させてくるあたり、反則だよなと、もちろんいい意味でね。ストーリーにちょっとした変化球を放ってくるあたり、どことなく『トイ・ストーリー4』っぽい、ってのはわかる人にだけわかる話及びほぼほぼ俺の勝手なイメージ。恐らく最終章、これは「あっぱれ」と言っていいんじゃないかな。心温まる良作。
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