地味ですが、なかなか良作のイタリア映画♪
画に描いたような美しい家族に、突然降りかかる悲劇
主人公はイタリア人ですが、共に働く移民者達との過酷な環境の中で、かわいい子供たちが待つ家庭と、社会問題との間にあるノイズが、徐々に浮き彫りになってゆくのです・・・
妻の喪失・・・
夫である主人公は、父親としての使命を妻に誓う
産まれたばかりの赤ん坊を抱き上げることなく
子供たちに食事を作ることなく
洗濯や家事に奮闘することなく
労働へと没頭する
悲しんでいる時間など無い
感傷的になっている暇など無い
お金が無ければ何も始まらない
これが、現実
不法移民者達を卑下する親戚を横目に
自分も同じ環境である現実から、なんとか這い上がろうとするのです
「お金で妻の喪失が、埋まるのか?」
ルーマニア青年の言葉が、終盤、こだまのように胸に迫ります
そんなワケないじゃないか!、と、あざ笑うような気持ち
お金の事だけで精一杯な自分を、認めたくない気持ち
ただ、がむしゃらに、必死に、家族を守ろうとした父親の
様々な行動を肯定したくて
自分自身(私)も答えを見つけ出そうとしていたのです
昼寝をしようと、子供たちを寝室に招き入れる父親
その空間は、彼の心のスペース♪
物語を解決へと導いた“プロ集団”が、目からウロコでしたが
兄は奥手のイタリア男で
隣人もいいキャラ
奥さんも子供たちも可愛い
父親を描いた映画ですが
家庭の中の女性の立場の大きさも同時に感じたりもしたのです