このレビューはネタバレを含みます
彼はどちら側の人間でもなかったのでは?
セリフを一切無くしてラストもどちらに落ちたのか分からないところにもこだわりを感じた。
もしかしたら最初に北から連れてきた子供と同じだったのかもしれない。
ひとつの民族。ふたつの祖国。
どちらに拷問されても口を割らず、イノクを思い続ける。
ふたつの諜報員達を閉じ込めて戦わせる様はかなり滑稽。
これこそが南北の縮図なのかな。
イノクが最期に見た空に鳥が1羽。
彼が最期に見たのは2羽の鳥。
空を自由に飛ぶ鳥のようになりたかったし、死をもってやっとなれたんだろう。