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プンサンケ/豊山犬のtheocatsのネタバレレビュー・内容・結末

プンサンケ/豊山犬(2011年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ネタバレ
狙い過ぎの脚本を上手く演出できなかった感

うーん、キムギドク作品と知って観たのだがどうにもこんにゃくのような捉えどころのなさに終始。
※それとも冷麺のグニャグニャする麺の歯応えと言った方がより適切だろうかね。


朝鮮と韓国の休戦ラインを自在に行き来できる男が主役。時には同伴する脱北者のせいで窮地に陥ったり、地雷を踏んづけたりなど相応の多大なリスクを背負いはするが、ほぼ完ぺきに依頼された仕事を遂行。
しかし、危機の際に北の警備員が総動員されたのにそれでも易々と休戦ラインを突破できるなど、「あれっ!?・・・」という拍子抜け感は否めない。
子供ならまだしも、成人女性や成人男子も一緒となると説得力が霧散し、単なるファンタジーと化してしまう。

おまけに下らない痴情のもつれを持ち込んでしまったために3流のメロドラマ臭も漂うなど、一体何の話やねん???と生温い混迷度合いは深まるばかり。

さらなるダメ押しで北の間諜者と南の諜報部員同士を一緒の部屋に拉致監禁し、武器を与えて相争わせるウルトラファンタジーなくだりには失笑する他なし。どう考えたって一人で出来る所業ではない・・・・

結局男は北か南か所属は分からず仕舞いのまま「臭いものには蓋」という身勝手な製作側の論理で都合よく消されてしまうし、とてもじゃないが本作を肯定することは不可能。

視聴後に調べたら監督は別人で、ギドク氏は制作と脚本のみとのこと。
監督までギドク氏が担当したらどうなったか未知数だが、それでも上手くまとめ切ることは相当難しかったのではなかろうかと推察される。

残念ながらマイナス二つ星

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