Torichock

I’M FLASH!のTorichockのレビュー・感想・評価

I’M FLASH!(2012年製作の映画)
3.8
「I'M FLASH!」

豊田利晃祭、開催中。

人生って、そんなに楽しいもんなんですか?

何を信じ、何に縋り、何に希望を抱いて、何を求めて生きていようが構わない。
だけど、一つだけ確かなことがある。

それは、どいつもこいつも幸せを求めすぎだということ。

喜びも大事だし、怒りを感じる意義もあるだろう。悲しみを通して気づくこともある。
なのに、

幸せになりたーーーい(でんでん)

楽しいのが一番

とか、歯の浮くようなスローガンみたいなものが、世間には溢れかえっている。
僕からしたら、それは立派な新興宗教。

こんなにも豊かな感情の生き物に生まれておきながら、みんながみんな傷つくこととか悲しみから必死に距離をとって、ブルブル怯えてる。
嫌なことは嫌だ、確かにそうだけど、そんなもんどこにでもあるし、避け続けることなんて出来ない。

別に、悲観でもなんでもないし、厨二病とかいうほど、ガキから見てかっこいいシロモノのでもないくらい、漠然とした真実だと感じてる。


人生は、そんなに楽しくない


僕は絶対的にそう思ってるし、それでいいし、それで十分だと思ってる。そして、今回見直して確信した。
不幸な人生だと罵るなら好きにすればいい。

例えるなら、幸せとかそういうものは、一瞬の閃光。

パッと光って消えちまう
パッと光って消えちまう

僕たちは、そのパッと消えちまうような、一瞬の閃光を感じるために生きる、ちっぽけな存在なんだと思う。
自分で今の自分を"幸せ"だとか言っちゃうやつはやばい。
一瞬の光の快感だけに飲み込まれて、闇落ちしたようなもん。幸せの信者、アホか。
そんな、眩しいだけの世界じゃ、パッと消えちまう一瞬の閃光は見つけられない。

期待するな
憧れるな、溺れるな、信じるな
期待なんかするな
そして、見逃すな
自分にとっての、一瞬の閃光を

生きる喜びが湧いてくる。
松田龍平が死んだような目で問う。
"人生ってそんなに楽しいもんなんですか?"

Life is Beautiful

クソくらえだ、そんなもんねぇんだよ。
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