ぬーこ

11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たちのぬーこのレビュー・感想・評価

3.6
監督 若松孝二
脚本 若松孝二、掛川正幸

面白かった
時代に取り残された生きづらさを感じた。
三島に見えていた日本や自衛隊の理想と自衛官の実像の乖離。同じ時代を生きているのに価値観や物の捉え方が人と違うのは悲しく辛いなあと思ってしまった。自衛官はとっくに武士じゃなかった。

三島と森田の同志、男としての結びつきが熱苦しいくらい熱い。決起時の演説のシーン好きだった。
三島の考え方というのが割とわかりやすく書かれていた。伝えるために説明口調の独白芝居が多かったけど。

日本の赤化を防ぎ、自衛隊を軍隊として認めさせ、再び日本を戦前の天皇を神格化する体制に戻すことを目指す三島。

赤軍派の行動を自衛隊の武力により制圧し、それにより自衛隊を軍隊として認めさせる目論見は、警察権力による左派鎮圧で絶望となる。

自分たちの行動は成功しない、だがそれでもその精神を行動で示したい三島。それよりもさらに血気盛んな森田。激しい感情が共鳴しあってカルトチックな集団となっていく様子が興味深い。

東大大学連のあなたの考える日本はどこにも存在しないと言われる

なぜ、森田が三島に惹かれたのか、そのきっかけがもう少しわかりやすく描いてほしかった。一緒に御殿場での自衛隊訓練を行ったこと、自衛隊の治安出動を一緒に待っていたからか

楯の会の持つ武器について、剣では有効性がないと指摘する自衛官
それに対し、有効性は問題にしないと答える三島。日本の伝統的な武士の魂があると話す。

死は文化だ!キリスト教文化と違い、死に罪はない。だから美しさに死を求める


2021.78
ぬーこ

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