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ル・コルビュジエの家のYSKのレビュー・感想・評価

ル・コルビュジエの家(2009年製作の映画)
3.1
アルゼンチンで唯一ル・コルビュジエが設計した家に住むデザイナーの主人公は、ある日隣家の主人がこちらの家屋に向けて窓を作ろうとしていることを知る、どうにかそれをやめさせたい主人公は…というお話

窓くらい作らせてやって、覗かれるのがイヤならばカーテンも用意してもらえばいいじゃないかと思いますが、こちらの国では「カーテンをしめる=やましいことをしている」と捉えられ、男らしさが足りていないと思われる風潮があるようですね

どうにか窓作りをやめさせたいくせに自分が嫌われる覚悟がないために法を盾にしたり妻の名前を出したり親戚の名前を出したりしながらも細かいところで軋轢を生む主人公と、どうにか窓を作りたいがために主人公の申し出をいなしたりはぐらかしながらも「良き隣人」とおだてることを忘れない隣家の主人、その行きつく先にそこまで皮肉がきいているようにも見えず素晴らしい結末とも断言はしにくいものですが、まあ嫌いというほどのことはありません

それにしてもアルゼンチンで作られる映画作品って結構独特な感性がありますよね、特に『人生スイッチ』や『笑う故郷』のように人と人の軋轢や行き違いから生まれたズレが少しずつ溜まっていって最後に大爆発する作品が特に上手く感じます

ちなみにタイトルにも入っているル・コルビュジエは、主人公宅を設計した以上でも以下でもなく、もちろんストーリーにも何の影響も与えていません

さてここで問題です、世界最大建築家としても名を馳せているル・コルビュジエが基本設計に携わり世界遺産としても認定を受けている、日本の建造物はなんでしょう
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