Yoshishun

仮面ライダーW(ダブル) FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリのYoshishunのレビュー・感想・評価

4.1
“地域密着型ライダーだからこそ”

仮面ライダーW単体の劇場版。
TVシリーズも終盤に入った段階での公開であり、Wのエクストリームフォーム、アクセルのトライアルフォームも登場する。
既に破壊したはずのガイアメモリAtoZまでが復活し、仮面ライダーエターナル率いるテロリスト集団が風都を襲撃するというストーリー。

今思えば仮面ライダーWという作品は、風都の平和を守るご当地ヒーローの要素が強く、風都の外を越えてまで闘うのはMOVIE大戦ぐらいだ。その為、本作のテロリストグループ、特にエターナルが風都に抱く嫌悪感や復讐心、クライマックスのWの究極進化というエモーショナルなドラマにも深みが増す。街を陥れる者と守る者との一騎打ちは、ご当地ヒーローとしてのWならではの展開だろう。

また、劇場版ならではの派手な演出も満載で、TVシリーズから更にアップデートされた特撮アクション、CG、そして忘れてはならない決め台詞など、ファンサービスにも溢れている。また、コメディ要員になりつつあった亜樹子のヒロイン感も残しつつ、単なるTVシリーズの焼き回しになっていないのも好感が持てる。
次のライダーであるオーズのサプライズ登場も、龍騎劇場版でのアギトメンバーのようにただ登場するだけでなく、しっかりと活躍の場を持たせるのも粋だと思う。

惜しい点としては、Wが持っているガイアメモリ分のテロリストと闘うことになるので、終盤は弱冠の急ぎ足感は否めなかった。

仮面ライダー映画としては、個人的に『パラダイス・ロスト』が最高傑作だと思っているのだが、本作もそれに引けを取らない満足感を得られる。
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