投資会社に勤務するデイヴィッドは、密かに想いを寄せる同僚エミリーにパーティの帰りに思い切って声をかけ、家まで送る事になるが、同僚のコーリーも同伴することになってしまう。コーリーの頼みで現金を引き出す為にATMに立ち寄るが…というストーリー。
「リミット」の脚本家が放つ、ATMを舞台にしたソリッドシュチエーションスリラーです。
3人でATMに入った所、ATMの外に謎の男が立っていることに気付く。男は近くに現れた犬の散歩中の男を殺してしまう。男が外にいることによって3人はATMから出られなくなってしまう、という内容です。
皆さんが仰っているようにとにかくツッコミどころ満載というか、主人公達がバカすぎます。3人が3人とも携帯電話車に置き忘れてきちゃうし、ATMぶっ壊せば警察来るだろうし、実際、途中でガンガンけり付けてるのに何故か途中で辞めちゃうし、コーリーが途中で言ったように3人いるんだからそれぞれ別々の方向へ走って逃げれば2人くらいなら捕まらずに逃げきれて助け呼べたんじゃないかな?四方八方にワイヤー張り巡らしてるとは思えないし。無人ATMなのに緊急回線ついてないっていうのも制作当時でもありえないでしょ。
そんな風にツッコミ所は満載ですが、お金下ろして出ようとしたらフード男が外に立っているシーンは割と不気味ですし、その直後犬を散歩させてた男に気付いて無言で近付いて殴り殺したり、パトロールに来た警備員も殺したり、突然中に入って来たフード男を乱闘の末に殺したら人違いだったり、何とか脱出試みたり、犯人が水攻めしてきたりとワンシュチエーションながら飽きさせない様に色々展開盛り込んでくれるので飽きずに最後まで見る事が出来ました。
殺人鬼も一切喋らずにATMの外に立ち、近づいたものは殺すけど中に入ってこようとはしません。また、主人公の車のトランクに積んでた工具使って裏で何か作業してたりしますが、これも終盤の展開の伏線にはなってますし、冒頭のシーンやエンディングで描かれるシーンで緻密な計画立てて行ってたと分かりますが、でも、上手くいったの主人公達がバカすぎたからだよねという感じが拭えませんでした。結構偶然に頼り切った計画ですよね(エミリーが最後あんな事になったのは確実に偶然でそこまで計算してたとは到底思えないし)
犯人に暖房止められて登場人物の顔がドンドン白くなっていくのは寒さ感じられる描写ではありましたが、その割には吐く息は白くなってないんですよね。
ラストは後味の悪い物ではあるけど、あの監視カメラ映像あったとしても、外から突っ込んだ車二台やATMが水浸しになってたり、火災報知器試したりといった証拠もあるから無実証明されそうな気もするけどな。
冒頭のデイヴィッドのせいで破産する羽目になった人が伏線かと思ったらそんな事もなく、犯人の正体は最後まで不明のままだけど、個人的には素性も何もわからないからこその不気味さもあると思うのでこれはこれでアリかな。目的は快楽殺人者っぽいけど。
ツッコミ所は多数ですが、そこも含めて展開に動きがあって退屈せずに最後まで見れた作品でした。