へちまびと

アルゴのへちまびとのレビュー・感想・評価

アルゴ(2012年製作の映画)
4.0
事実を元にした映画。
革命が進むイランで、現地に取り残された大使館員たちを国外へ救出するために偽映画の撮影という体でCIA職員ことベン・アフレックがイランに乗り込む。

当然西側寄りの視点で描かれているため、「ならず者国家から脱出する文明人!」みたいな空気になってしまってはいるものの、映画としては非常によくできており面白い。最後まで心拍数が上がりっぱなしである。

話は全然違うが、西側とイスラム圏を描いた作品という意味では、ディカプリオの「ワールドオブライズ」などもある。「よくわかんねえけど札束で言うこと聞くだろ」という雑アメリカ人ムーブが引き起こしたトラブルを、深刻そうな顔の人が解決に向かう、という大きな流れと、「根本的に西側とイスラムの連中とでは相容れない」という通底する価値観は同じと言える。

この作戦で取沙汰される偽映画が、スターウォーズの劣化版みたいな安スペースオペラなのは皮肉が効いてるな~という感じがする。
スターウォーズのいろんな宇宙人は「白人とは相容れない異文化人」をモデルに描いていると言われているからだ。

こういう映画を見ると、彼らがどういう視点で「異文化人」を見ているかわかるのは面白い。