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アルゴのRyuのレビュー・感想・評価

アルゴ(2012年製作の映画)
3.9
1979年2月。イラン革命によりパーレビ国王がイランから追放される。その後、亡命したパーレビをアメリカが匿ったことで、イランでは反米の動きが強まっていた。同年11月。反米デモ隊は首都 テヘランのアメリカ大使館を占拠し、外交官たちを人質にとる。しかし、占拠される直前に6名が大使館を脱出しており、近くのカナダ大使邸に匿われる。CIA工作員のトニー・メンデスは6人をイランから救出するために、「アルゴ」という偽のSF映画をでっち上げ、6人をロケハンに来ているスタッフに身分を偽造させて、秘密裏にイランから出国する作戦をたてる。

第85回アカデミー賞において、作品賞、脚色賞、編集賞を受賞。他にもゴールデングローブ賞をはじめ、多数の映画賞を受賞した。
イランアメリカ大使館人質事件の際に、人質を免れた6名の外交官を救出するための作戦「カナダの策謀」を描いた作品。
ベン・アフレックの監督する作品は社会派の要素とクライムサスペンスな要素が上手くマッチしていてけっこう好きな作風です。彼の監督作はこれで3作目の鑑賞になりますが、作品賞でオスカーを獲っているだけあって、非常に完成度が高かったです。
諜報活動を描いているので、やはりヒリヒリとした緊迫感は常にあり、心を掴まされっぱなしでした。そして終盤の展開はめちゃくちゃハラハラドキドキしましたね。このギリギリの感じ、たまりません(笑)。そしてその後の達成感・爽快感もめちゃくちゃよかったです。
ベン・アフレック演じたトニー・メンデスはけっこう寡黙な男であり、あまり感情を表に出さないですが、これが渋くてカッコイイ。まさにスパイって感じですね。
まぁアメリカがあんな王様を匿ったりするからこんなことになっちゃった訳で、CIAが頑張るのは当たり前かもしれませんが、ここでカナダがここまで頑張ってくれたのは賞賛に値しますね。
事実との相違点もあるみたいですが、そこはオスカーを獲った脚色が光ったところでしょうね。実話をベースに、社会性と娯楽性を上手く兼ね備えており、ベン・アフレックの作り手としての手腕が光った作品だったと思いました。
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