FREDDY

危険なメソッドのFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

危険なメソッド(2011年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

クリストファー・ハンプトンが脚本家として携わった原作戯曲を自らが脚色しデヴィッド・クローネンバーグ監督のメガホンで制作した伝記ドラマである本作は、1904年8月、自身が勤務するチューリッヒにあるブルクヘルツリ病院に運び込まれた統合失調症患者のユダヤ人女性ザビーナ・シュピールラインの担当医となり、精神分析学の大家ジークムント・フロイトが提唱していた斬新な治療法"談話療法"を実践し、幼少期の記憶を遡り彼女が抱える性的トラウマの原因の追究に成功した2年後、オーストリア・ウィーンへと赴き念願だったフロイトと対面し、"神経症は性衝動に起因する"と話す彼と多くを語らう中で治療における新たな解釈の必要性を見出していた精神科医のカール・グスタフ・ユングが、治療を必要としていた優秀だが変わり者のグロス博士との談話療法の中で"一夫一妻制"や"患者の転移"などについて言葉を交わしていた最中、治療を経て性衝動の病気を克服し、医師を目指して心理分析療法を学んでいたザビーナが自身の研究対象が性衝動に根差していることから性体験を求め誘惑してきたことで、医師であり妻子持ちでもある自らの理念と反し欲望のままに"転移"を受け入れ、医師と患者の一線を越え秘事を重ねて行く中で欲望と罪悪感の狭間で葛藤を覚えていく様や、ザビーナをめぐって交友関係にあったフロイトとの友情に亀裂が生じ決別へと向かっていく過程を描いた作品となっているのだが、恥ずかしながらカール・グスタフ・ユングやジークムント・フロイト、ザビーナ・シュピールラインなどについての予備知識はなく、興味本位で視聴をはじめてしまったので劇中の台詞の難しさなど少しばかり戸惑ってしまった節はあるのだが、その分、彼らがそれぞれに持ち合わせていた理念や思考などに触れ考えさせられるものや学べるものも多くあり、難しいと思えた台詞が次第に面白く感じ彼らの意見交換のシーンから目が離せずにいましたし、これが実話であるという驚きもある。そしてマイケル・ファスベンダー、ヴィゴ・モーテンセン、キーラ・ナイトレイなどといったキャスト陣の共演や、ザビーナを演じたキーラ・ナイトレイの演技もまた惹かれるものがありましたし、個人的には最後まで楽しめました。ただ、いかんせん内容が内容だけに気軽に視聴ができない難点もありますし、抑揚や緩急というものがあまり感じられなかったせいか少しばかり退屈に思えてしまった。それなりには楽しめるがオススメは難しそうですね。
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